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ハデス攻略:冥府の武具 第4の態の由来や考察【ネタバレあり】

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HADES(ハデス)の攻略情報をお届けします。
この記事ではハデスに登場する冥府の武具の第4の態を覚醒させる呪文や、その武器名の由来などについて考察します。ハデスはギリシア神話を元にしていますが、第4の態は他の伝承にインスパイアされたものとなっています。

 

アーサーの態(聖剣エクスカリバー)

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「われは見る。王の手で石牢より解き放たれる、そなたの姿を」

アーサーは、アーサー王伝説として知られる中世イギリスの騎士道物語の主人公。「石牢より解き放」つとは、正当な王の跡継ぎにしか引き抜けないとされる石に刺さった聖剣エクスカリバーを、アーサーが引き抜くことを意味しています。

多くのゲームやファンタジーに見られる「聖杯」「円卓の騎士」といったワードも、もとを辿ればアーサー王伝説がモチーフとなっています。

 

ラーマの態(天弓シャランガ)

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「われは見る。第7の化身の腕にひかれる、そなたの姿を」

ラーマはインド神話におけるヴィシュヌ神の7番目の化身。「第7の化身の腕にひかれる」とは、ヴィシュヌの第7の化身であるラーマの腕にひかれる(弓をひく、弓を射る)ということを意味しています。ヴィシュヌは世界が悪の脅威にさらされたとき化身として地上に現れる救世主です。余談ですが、他の化身で有名なところでいうと8番目の化身がクリシュナ、9番目の化身がブッダです。

ラーマは叙事詩『ラーマーヤナ』の主人公として描かれ、誘拐された妻シーターを救うために悪を討ちました。そのときに使ったとされるのがサルンガという太陽神の弓で、矢には翼があるとされています。ハデスに登場する天弓シャランガは、サルンガの原語をカタカナにしたときの表記違いで、同じものを指していると思います。

 

ベオウルフの態(ネイグリングの盆)

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「われは見る。くちなわの炎を前に、ひるまずはだかるそなたの姿を」

ベオウルフは英文学最古の英雄譚の主人公。ファンタジーの源流ともいえる内容で、『指輪物語』へも強く影響した作品です。そこに登場する剣のひとつがネイグリングです(盆でも盾でもないですが…)。スウェーデン南部に住むベオウルフが王の勅命で巨人を退治する第一部と、王となり老齢となったベオウルフがドラゴンと戦い相討ちとなる第二部からなる物語です。

「くちなわの炎を前に、ひるまずはだかる」とは意訳すると「ドラゴンの炎を前にしても、ひるまず立ちはだかる」という意味になります。「くちなわ」は朽ちた縄が蛇のように見えることから蛇を指す言葉ですが、日本においては特にオロチを指すことがあり、炎をはく大型の蛇=ドラゴンと解釈することができます。

 

関羽の態(冷艶鋸)

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「われは見る。赤き鳳の目を通じ、そなたの姿を」

関羽は歴史書である『三国志』やそれを元にした小説『三国志演義』に登場する実在した人物。張飛とともに劉備に仕えた武将で、義に厚い人物と描かれています。「赤き鳳の目」の、赤は関羽自身の顔の色、関羽の乗る馬「赤兎馬」から、鳳は中国神話の伝説の鳥である鳳凰からきているものと思います。しかし関羽と鳳凰が直接的に結びつくような根拠は見つかりませんでした。ご存知の方いたら教えてください。

冷艶鋸れいえんきょは、『三国志演義』で関羽が振るったとされる青龍偃月刀せいりゅうえんげつとうの別称で、大きな薙刀のような太刀です。また緑色の着物に金色の鎧を身に着けていたというエピソードからか、ハデスのゲーム内で関羽の態を振るうとしっかり赤と緑でデザインされています。

 

ギルガメシュの態(エンキドゥの爪)

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「われは見る。野生を制し、死と結ぶ、そなたの姿を」

ギルガメシュは古代オリエント最大の文学作品『ギルガメシュ叙事詩』に登場する古代メソポタミアの王。エンキドゥは、もともとはギルガメッシュの傲慢さを諫めるために神々によって粘土から作られた存在でしたが、戦っても決着が付かず二人は戦いの果に親友となってしまいました。「野生を制し」とは、粘土から作られ荒野で獣と暮らしていたエンキドゥが、ギルガメシュと過ごすうちに心があることに気付くことを意味します。「死と結ぶ」とは、エンキドゥは自分自身の最期を夢に見ており、ギルガメシュに看取られながら息を引き取るエンキドゥの行く末を意味しています。

『ギルガメシュ叙事詩』ではとある経緯でエンキドゥが冥界に堕ち、地上に帰ってこれなくなるという逸話もあり、「死後の世界」や「生死観」に触れている点がハデスと共通しています。

 

ルシファーの態(イグネウス・エデン)

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「われは見る。業火の中へ、誇り高く堕天するそなたの姿を」

ルシファーはキリスト教において、創造主たる神に背き自ら堕天使となった天使。サタンと同一視されます。神に背いた理由は諸説ありますが、アダムとイブに仕えるのを拒絶したことであるとされるケースが多いです。「業火ごうか」とは仏教用語で、悪行への報いとして地獄で焼かれる炎のこと。「誇り高く堕天する」とは神に背いてでも自分の考えをまっとうする精神を表現しているものと解釈できます。

武器名のイグネウス・エデン(Igneus Eden)は日本語で検索しても英語で検索してもハデス関連しかヒットしないため、造語であると考えられます。語源は ignite(点火する)- eus(接尾辞 ousの変化形?)で「(アダムとイヴのいる)楽園を燃やし尽くす者」を意味すると考えられます。

 

まとめ

この記事では武器の第4の態について由来をまとめ考察してみました。ハデスはインディーズゲームながら世界観が深く構築されていたり図鑑や会話のボリュームが凄まじいので、考察しがいがあります。

冥府の武具の考察について「ここはこう解釈できる」などご意見がありましたら、ぜひコメント欄で語り合いましょう!