
Path of Exile 2(以下、PoE2)は、攻撃力と防御力の管理がキャラクタービルドの要となります。敵の攻撃を軽減する方法には主にアーマー、回避力、エナジーシールドの3種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。それらを適切に組み合わせることで、敵の強力な攻撃を耐え抜き、エンドゲームコンテンツを攻略することが可能になります。この記事ではPoE2の回避力による被ダメージ軽減の仕組みと、その効果的な運用方法について解説します。
回避力の仕組み
回避力の基礎
回避力はストライクまたは投射物を無効化する確率を増加させる。回避により、地面効果のような継続ダメージを回避することはできない。 ただしヒットをトリガーとして出血等の状態異常を与える攻撃を回避することで、継続ダメージを発生を防ぐことはできる。ドッジロールによる回避は、回避力による回避とは異なる。
回避率は、攻撃側の命中率と防御側の回避率を元に算出される。 ただし後述するエントロピーメカニズムにより、純粋な確率ベースの仕組みではない。
回避力による回避率の計算式
回避率は、以下の計算式により算出できる。
回避率 = 1 -(攻撃側の命中率 * 1.5)÷(攻撃側の命中率 + 防御側の回避力合計値)
上記の計算式にかかわらず、回避率には95%のハードキャップが設定されているため、命中率が5%を下回ることはない。
エントロピーメカニズム
エントロピーとは、命中や回避に偶然の幸運/不運が重ならないようにするためのシステムである。
対象が100サーバーティック(=約3.3秒間)に初めて回避可能な攻撃を迎え撃つとき、エントロピー値が0~99の間でランダムにロールされる。そのエントロピー値に攻撃側の命中率を加算し100以上になる場合、攻撃は命中し、エントロピー値から100が減算される。 攻撃側の命中率が加算された後のエントロピー値が 100未満の場合、その攻撃は回避され、エントロピー値は維持される。
例:
- モンスターAがプレイヤーに〈ファイアボール〉で攻撃する
- この攻撃が100サーバーティック(=約3.3秒間)以内に迎え撃つ初めての攻撃の場合、エントロピー値が0~99の間でロールされる。ここでは68がロールされたとする
- モンスターAとプレイヤーの回避力から算出された〈ファイアボール〉の命中率は23%である
- 2でロールされたエントロピー値:68に3で算出された命中率:23%が加算され91となる
- エントロピー値は100未満のため攻撃は回避され、回避に成功したためエントロピー値はそのまま維持される
- その直後、100サーバーティック(=約3.3秒間)以内にモンスターBがプレイヤーに〈ファイアボール〉で攻撃する
- モンスターBとプレイヤーの回避力から算出された〈ファイアボール〉の命中率は23%である
- 5から維持されたエントロピー値:91に、7で算出された命中率:23%が加算され114となる
- エントロピー値は100以上のため攻撃は命中し、エントロピー値は100減算され14になる
100サーバーティック(=約3.3秒間)以内に攻撃を受けていない場合、エントロピー値は破棄される。なお、エントロピー値はキャラクターステータスであり、防御側が迎え撃つすべての攻撃に共通して適用される。
回避力によるクリティカルヒット発生率への影響
回避力は、受ける攻撃がクリティカルヒットになるのを防ぐための固有の確率としても機能する。
クリティカルヒットになりうるヒットが最初の命中判定に合格し防御側によって回避されないことが確定した場合、クリティカルヒット判定に進む。この段階で 1~100 までの乱数がロールされる(この数値は前述のエントロピー値とは無関係である)。ロールされた数値は攻撃側の命中率と比較され、命中率が高い出目であればクリティカルヒットになり、命中率がロールと同じかそれ以下の場合、そのヒットはクリティカルヒットにならず通常のヒットとなる。
回避力の増やし方
回避力は主に兜、鎧、手袋、靴、盾といったギア(装備)から得られる。器用さベースのギアは、アイテムに紐づく防御力のステータスとして固有の回避力を持っている。 この回避力の部分は「回避力 #」や「回避力が#%増加する」等のローカルモッドによってスケーリングすることができる。 これらのローカルモッドはギアから得られるアーマーを直接スケールし、グローバルに適用されることはない。 品質はギアの最終的なアーマー量に対し乗算される。
ローカルモッドとグローバルモッド
ローカルモッドはそのアイテムのステータスにのみ適用され、グローバルモッドはそのキャラクターの全ステータスに適用される。 例えば、器用さベースの鎧は固有スタッツとして回避力を持ち、そのアイテムの回避力値を向上させる「回避力 #」や「回避力が#%増加する」ローカルモッドをロールすることができる。

筋力ベースのギアにおけるローカルモッドの例
しかし、アミュレットや指輪のように固有のスタッツに防御力が付かないアイテムや、固有のスタッツに適用されないモッドをロールできるアイテムに付く「アーマーが#%増加する」「回避力が#%増加する」「最大エナジーシールドが#%増加する」モッドは通常グローバルモッドである。

筋力ベースのギアにおけるグローバルモッドの例
回避力のスケーリング
装備やその他のソースから得た回避力は合算され、その後パッシブスキルツリーの「回避力がX%増加する」のようなグローバルモッドによってスケーリングされる。
回避力との相互作用
プレイヤーのヒットは回避されない
モッドの中には特定の条件で命中率/回避率の計算を無視するものがある。例えば〈レゾリュートテクニック〉は「プレイヤーのヒットは回避されない」効果があり、「クリティカルヒットを与えられなくなる」デメリットはあるものの、命中/回避にかかわる計算を無視して必ず攻撃が命中する効果がある。
また〈神のハンマー〉のように、「回避されない」効果を持つスキルも存在する。
敵の攻撃を回避できない
一方で、防御側の回避率に影響を与えるモッドも存在する。例えばユニーク鎧のブランブルジャックは「敵の攻撃を回避できない」モッドを持ち、命中/回避にかかわる計算を無視して必ず攻撃が命中してしまう。
アクロバティックス
キーストーンパッシブ〈アクロバティックス〉は「回避力が70%低下する」デメリットの代わりに「全てのヒットを回避できる」ようになる効果がある。これにより通常は回避できない大型ボスのスラム攻撃や、範囲攻撃も回避可能になる。
アイアンリフレックス
キーストーンパッシブ〈アイアンリフレックス〉は「全ての回避力をアーマーに変換する」効果がある。これはアーマーををスケーリングするモッドのみがアーマーの変換部分に適用され、回避力をスケーリングするモッドはこのスタッツに適用されなくなる。
盲目
盲目は状態異常の一種で、4秒間にわたり命中力および回避力を20%低下させる効果がある。この効果は「盲目の効果がX%増加する」モッドによりスケーリングできる。回避をベースとするキャラクターは、モンスターに盲目を付与することで命中率を下げ、命中率計算における回避の効率を向上させることができる。
出典
この記事の内容は、以下のサイトの情報を引用・再構成したものです。
まとめ
この記事では、PoE2のアーマーによる被ダメージ軽減の仕組みと、その効果的な運用方法について解説しました。PoE2でエンドゲームコンテンツ「アトラスマップ」やピナクルボスを攻略するためには、被ダメージ軽減が鍵となります。この記事で紹介した方法を活用して、あなたのキャラクターをより強力に仕上げてください。